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【2026年】CADはどこで使われているか調査|約半数が「オフィス外でも作業」。在宅・現場時代の図面データの扱い方

投稿日:2026.08.04

「会社のオフィスのデスクトップPCでじっくり図面を描く」
CADのその使い方は、いまも変わらず現役です。実際、本調査でも回答者の半数はデスクトップPCで作業しています。

一方でこの数年、在宅勤務の定着、現場への直行直帰、客先での打ち合わせと、働く場所の多様化が進み、「オフィスの外でもCADを使う」という選択肢が、従来の使い方に加わりつつあります。では実際、CADユーザーはどこで作業し、図面データをどうやって持ち出しているのでしょうか。

IJCADが実施した独自アンケートから、CADを使う「場所」のリアルな実態と、外出先での図面データの扱い方を紹介します。

調査概要

  • 調査名:CAD利用環境に関するユーザーアンケート(第1回)
  • 調査主体:IJCAD(システムメトリックス株式会社)
  • 調査時期:2026年6月
  • 調査方法:Webアンケート(過去お問い合わせがあったお客様・メールマガジン読者様・弊社営業と接点があったお客様、体験版/製品版を利用したことがあるお客様への配信)
  • 有効回答数:114件
  • 回答者属性:建築・土木設計(31.6%)、機械設計(23.7%)、電気・電子設計(15.8%)、設備設計(9.6%)、生産技術・製造(7.0%)、その他(12.3%)

本調査の留意点:本アンケートはIJCADとこれまで接点があったお客様に対して実施しているため、回答者はIJCADユーザーが中心(メイン使用CADの68.4%がIJCAD)で、2D CAD利用者が多い構成です。本記事のデータは「CADユーザー全体の傾向」ではなく「本アンケートの回答者の傾向」としてご覧ください。

CADユーザーの約半数が「オフィス以外」でも作業している【調査結果】

まず、直近3ヶ月にCAD業務を行った場所を聞きました。

直近3ヶ月にCAD業務を行った場所(働き方)の分布グラフ
働き方回答数割合
完全にオフィス(社内)のみ59件51.8%
ほぼオフィスだが、たまに外出先・客先・在宅でも行う(月1〜2回程度)31件27.2%
オフィスと外出先(または在宅)のハイブリッド(週1〜2回は外や自宅)16件14.0%
ほとんど外出先・客先・在宅で行っている(週3回以上)8件7.0%

「オフィスのみ」は51.8%──ちょうど半分に割れた働き方

「完全にオフィスのみ」は51.8%。裏を返せば、48.2%はオフィス以外の場所でもCADを操作していることになります。CADの作業場所は、いまや「オフィス派」と「持ち出す派」でほぼ半々に割れているのが実態です。

実際、オフィス以外でも作業する層のノートPC比率は58.2%と、オフィスのみ層(39.0%)を約19ポイント上回りました。「持ち出す働き方」がPC選びにも表れています(実際に使われているPCスペックの詳細は「【2026年】CADユーザーのPC環境実態調査」で詳しく解説しています)。

完全リモートではなく「時々持ち出す」が主流

内訳を見ると、最も多いのは「たまに外でも行う(月1〜2回程度)」の27.2%で、「週3回以上外で作業する」ヘビーなリモート層は7.0%にとどまります。

つまり実態は「CADワークの完全リモート化」ではなく、普段はオフィス、必要なときだけ持ち出すという“ゆるやかな多様化”です。この「時々持ち出す」という頻度感こそが、後述するデータの持ち出し方法や環境づくりを考えるうえでの前提になります。

オフィス以外では「どこ」でCADを使っているのか

オフィス以外でも作業すると答えた方(55名、回答60件)に、その場所を聞きました。

オフィス以外でCADを使用している場所の分布グラフ
場所回答数
自宅(在宅勤務・リモートワーク)32件
建設現場・工場の作業スペース、サテライトオフィス17件
客先のオフィス・打ち合わせスペース7件
移動中(新幹線など)やカフェ、コワーキングスペース2件

最多は「自宅」──CADを使用した仕事も在宅勤務の割合が増えている

最も多かったのは「自宅」でした。かつて在宅勤務と相性が悪いとされてきた設計業務ですが、ノートPCの性能向上やデータ共有手段の普及により、「図面を自宅で描く・直す」ことは特別なことではなくなりつつあります。

「建設現場・工場」が2位──図面を“現地で開く”ニーズ

2番目に多かったのは「建設現場・工場の作業スペース」です。回答者の職種を見ると建築・土木設計を中心に、機械や電気・電子設計まで幅広く含まれており、「現地で図面を確認し、その場で手を入れる」ニーズが職種を問わず存在することがうかがえます。

現場事務所のスペースや騒音・粉塵といった環境面の制約もあるなか、ノートPC1台で図面を開ける機動力の価値は大きいと言えます。

外出先での図面データ、どうやって持ち出している?

外出先での作業で問題になるのが「図面データへのアクセス方法」です。

外出先での図面データの持ち出し方法の分布グラフ
方法回答数割合
ローカル(PC本体)にあらかじめデータを保存して持ち出している32件55.2%
モバイルWi-Fiやテザリング等でクラウドや社内サーバーにアクセス18件31.0%
オフィスのPCにリモートデスクトップ(VPN等)で接続して操作4件6.9%
クラウドPC・VDI環境(仮想デスクトップ)を使用4件6.9%

過半数は「ローカルに保存して持ち出し」

最も多かったのは、事前にPC本体へデータをコピーして持ち出す方法で55.2%でした。シンプルで通信環境に左右されない、誰でも今日からできる方法です。「時々持ち出す」程度の頻度なら、これで十分に回るという判断でしょう。

ローカル持ち出しの落とし穴──バージョン競合・紛失リスク

一方でローカル持ち出しには、運用上の注意点があります。

  • バージョンの競合:持ち出したコピーを編集している間に、オフィス側で元データが更新されると、「どちらが最新か分からない」事態が起こる
  • 紛失・盗難リスク:図面データは顧客情報を含む機密情報です。PC紛失時の情報漏えいリスクへの備え(ディスク暗号化など)が必須となります
  • 戻し忘れ:外で編集したデータをサーバーに戻し忘れ、成果物が個人PCに散在する

「時々持ち出す」働き方は手軽さはありますが、持ち出しルール(最新版の所在を一意にする、編集中はロックする、暗号化を必須にする等)を決めておくことが、トラブル防止の要になります。

クラウド・VPN・VDI、それぞれの向き不向き

方法強み注意点向いているケース
ローカル持ち出し通信不要・確実に動くバージョン管理・紛失リスク出張・現場など通信が不安定な場所
クラウド/社内サーバー直接アクセス常に最新データ通信環境に依存、大容量DWGの同期に時間在宅勤務など通信が安定した場所
リモートデスクトップ(VPN)データが社外に出ない操作遅延、社内PCの常時起動が必要セキュリティ要件が厳しい企業
クラウドPC・VDI端末を選ばず高セキュリティ導入・運用コスト全社的なリモート体制の整備

本調査ではリモートデスクトップとVDIの利用は合わせて13.8%と少数派でしたが、セキュリティ要件の厳しい企業を中心に、今後増えていく選択肢と考えられます。

場所を選ばずCADを使うための環境づくり3つのポイント

1. ハードウェア:ノートPC+外付けモニターが基本形

持ち出しを前提にするならノートPCが軸になります。本調査でも、ノートPCユーザーの6割超がオフィスでは外部モニターに接続して2画面で作業しており、「持ち運びはノート、デスクでは大画面」という組み合わせが定番化しています。外出先の画面の狭さには、軽量なモバイルモニターの携行も有効です(必要スペックの実態は「【2026年】CADユーザーのPC環境実態調査」で、外出先の不満と対処は「【2026年】CAD業務の不満・ストレス実態調査」で詳しく解説しています)。

2. データ運用:「最新版がどこにあるか」を一意にする

ローカル持ち出し派もクラウド派も、大事なのは「正」となるデータの置き場所を1つに決めることです。ファイル命名規則(日付・版数)の統一、編集中ファイルのロック運用、持ち出しPCのディスク暗号化をセットで決めておくと、少人数の設計チームでも破綻しにくくなります。

3. ライセンス:「オフィスでも外でも同じCADが使えるか」を確認する

意外と見落とされがちなのがCADライセンスの可搬性です。ライセンスが特定のPCに固定されていると、「外出用ノートにはCADが入っていない」という壁に突き当たります。

たとえばIJCADの場合、インターネット接続があればどのPCでも利用できるライセンス(シングル)や、ネット環境のない現場でも使えるUSBライセンスなど、働く場所に合わせた形態を選べます。タブレット等で図面を確認できるIJCAD Mobileもあり、「現場では閲覧・注記だけできればよい」という使い方にも対応できます。お使いのCADのライセンス条件を一度確認しておくと、持ち出しの自由度が変わります。

「時々持ち出す」が当たり前になる時代のCAD選び

今回の調査から見えたのは、劇的なリモートシフトではなく、約半数のユーザーが月に数回〜週に数回、CADを持ち出して使うという「ゆるやかな多様化」でした。

この働き方では、CADは「オフィスの高性能デスクトップ」ではなく「持ち歩けるノートPC」で動かす場面が増えます。不満調査で「外出先で画面が小さい」が2位に入ったように、モバイル環境はハードウェアの制約が大きい環境でもあります。だからこそ、限られたスペックのノートPCでも軽快に動くソフトウェアかどうかが、これからのCAD選びの実用的な判断軸になります。

まとめ

  • 回答者の48.2%がオフィス以外でもCADを操作。主流は「月1〜2回持ち出す」ゆるやかな多様化
  • オフィス外の作業場所は「自宅」が最多、次いで「建設現場・工場」
  • データの持ち出しは「ローカル保存」が過半数(55.2%)。バージョン管理と紛失対策がセットで必要
  • 環境づくりはハードウェア・データ運用・ライセンスの3点で考える

IJCADは、軽快な動作と働く場所に合わせて選べるライセンス形態で、「持ち出すCADワーク」を支えます。お使いのノートPCで快適に動くか、まずは無料体験版でお確かめください。

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YI

執筆者

スプリングボルト

家業(ゆるみ防止ねじの製造・販売・開発)

YI

Webマーケティングとシステム開発の両領域で企業支援を行う。製造業分野におけるCAD利用・データ活用に携わった経験を持ち、現在はその知見をもとにCADソフトの比較・選定、業務効率化に関する情報発信を行っている。 現場視点とデジタルの両面から、「実務で使えるCAD選び」をテーマに執筆。

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